屋台水引幕・高欄幕 復元新調お披露目

3月19日。大安。

かねてより国(文化庁)からの補助金で進めておりました水引幕、高欄幕の復元新調事業が立派に仕上がり無事に納品をされましたので、本日、氏子地域の皆さんへのお披露目式が行われました。

 御坂神社では、文化庁の地域文化財総合活用推進事業という国からの補助金事業を活用させて頂き、御坂神社太鼓保存会が窓口となって申請し、2基の屋台と獅子頭等の修理を行っております。

 この補助金というのは、お祭りなどに使われる屋台や獅子舞いなどが古くなったり傷んだりした場合に申請ができます。それが、今から3年前に新型コロナウィルスが広がり日本各地のお祭りというお祭りが出来ない状況が続きました。御坂神社も例外ではなく、3年の間は春祭りで屋台を出すことは出来ませんでした。この状況を重く受け止めた国が、日本各地に残る伝統文化を何とか残してほしい、昔から地域に伝わるお祭りを無くさないように継承をしてほしいという事で、令和3年度の補正予算という形で予算を組んで新たな募集がありました。

今回、募集のあった補助金事業が、地域に残されている古い幕などがあればそれを綺麗にすることで、このコロナで下火なったお祭りをもう一度、盛り上げてほしいというものでした。

 御坂神社の太鼓蔵には古い水引幕と高欄幕を大切に保管していましたので、氏子の皆さんと協議をさせて頂き、申請をさせて頂くことになりました。

 今回復元された元となる水引幕、高欄幕は、昭和3年に新調されたものです。どちらも今から95年前にもなる古い幕になります。
 水引幕の方は昭和44年の三木市の豪雨災害の際に一度幕の半分ほどが水につかってしまいました。また、この災害で両地区(安福田、志染中地区)
にあった太鼓蔵が倒壊し、加えて担ぎ手の不足もあり、2基の屋台は昭和47年に御坂神社に奉納されました。

 水に浸かってしまった水引幕は神社に奉納した後もしばらくは使っていましたが、経年劣化による痛みが目立ってきたこともあり、昭和56年に中古の幕を購入し、それが今使用している幕になります。

 今回のこの補助金は、コロナ禍で全国のお祭りが出来ないという状況から急遽つくられた予算で、皮肉なことですが、新型コロナが無ければ頂けなかった補助金です。まだ依然コロナ禍という状況は続いておりますが、この流行り病では、大変な思いや悲しい思いをされた方が沢山おられたことも事実です。この幕が出来たのは、こういった背景があることもこれから伝えていかないといけないと思っています。

 今年は5月4日、5日に御坂・大谷地区の神番で太鼓が出されます。太鼓にはこの新しい幕をつけて氏子の各地区に巡幸をいたします。

 この幕がこれからも氏子の皆さまに愛され、末長く大切に引き継いでもらえる事を切に願っています。

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